« 夜を抱える人達の日向であって下さい。22 | トップページ | 夜を抱える日向であってください。24 »

夜を抱える人達の日向であって下さい。23

著/秋月十紅

 *

 

二人の短い悲鳴が響いた。

行き交う車もなくなった百貨店の屋上。

体温を奪っていく冷たい背中。ボクは罪悪感に苛まれ、さみしい空が目に写る。

対象に芽美ちゃんは、ボクの胸に埋められたまま小さく埋まっている。

湿った体温であたたまるくらいの時間が経過して時折ボクの首筋に涙が流れて行く。

胸の子猫は肩をゆらし爪をたてて声を出して泣いていた。

「朝は……ひなたさんが弱々しくて……ぞくぞくしちゃって……つい虐めてしまって……ごめんなさい」

 落ち着きを見せ始めた芽美ちゃんはボクの胸に顔を埋めたまま話す。

「……ごめんなさい。ボクの方こそ……朝、ばれていた事にすごく驚いて、あんな勝ち気に言われた事なくて、それで言葉をうしなっちゃって……あの…それと……その……」

 言葉を区切って、改めて謝る。

「泣かしちゃって……ごめんなさい」

芽美ちゃんは、ぱっと顔をあげ、どきっとするほど悪戯っぽい綺麗なまなざしを向けた。

瞬間、月明かりか外灯で涙が反射する。

「許さない! 許してあげませんわ!」

胸に爪をたてたまま。

わがままな子供のように。

「罰……ひどいひなたさんには罰を与えますわ! 覚悟しなさい!」

顔が急接近!

ボクの体を登るように這い上がり脚で腕を押さえ込み両手で髪をくしゃくしゃ弄られる。

芽美ちゃんは首に吐息をひと息吹きかけ、耳椨を優しく噛み、舌で転がし始めた。

髪への愛撫と耳への愛撫に気がおかしくなりそう……

「あっくぅ……やめ……やめてください」

「やめないわ! オンナノコを虐めた罰だもの」

耳元で間髪入れない囁き。

首筋が熱く、くすぐったく、視界が狭まる。 

「ふあっ……ああっ」

「ふふっ……女の子みたいな声だしちゃって…… ざ ま あ み ろ ですわ」

熱く湿った吐息が耳を虐めもう片方の耳を指で弄ばれる。

「い……言わないでください」

「ダメ……女の子にしか見えないよ? ふ〜〜〜」

「ふぁっっっっ! 言わないでってば!」

 いつのにか形勢逆転されちゃった……

「ダメ……女の子でいて欲しいの! め……芽美と……秘密を共有させて」

「?」

「動かないで! 耳朶噛み切っちゃうよ? ひなちゃん♡」

 耳のカタチに舌が添わされ、耳の裏側の方へ向かって行く。

「あっくぅう……そこ香水塗った場所だよ……」

 他は舐めていいよ。みたいに聞こえちゃう……

「余計な事を口にしないで! ひなちゃんの女装言わないかわりに、芽美の秘密を持ってて欲しい」

「わ……わかったから吐息で責めないで……ぅぅくぅ」

「うん。素直ね……実は芽美は……女の子しか興味ないの……だから私と逢う時は綺麗に化粧して逢う事! いいわね!」

首筋から肩口に舌が這っていき温かく湿った吐息に頭は真っ白に犯されていく…… 

 断続的に責められる言葉と刺激に……

「ふぁぁ……い……言わない。……やだ! これ以上されたら……わっわかった。わかったから……許して! 許して下さい。……はぁはぁ」

息も途切れ途切れになり、力もろくに入らなく。

…………ダメ。


WEB拍手です。また、クリックしてくださるだけでも嬉しいです!

  

|

« 夜を抱える人達の日向であって下さい。22 | トップページ | 夜を抱える日向であってください。24 »

小説「七夜ひなたの……」」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 夜を抱える人達の日向であって下さい。23:

« 夜を抱える人達の日向であって下さい。22 | トップページ | 夜を抱える日向であってください。24 »